銀魂の最終回以降の時系列で長篇のプロローグを考えてみました。
注意事項
・原作を読んでいること前提の話です。アニメでは描かれなかった部分についての話にも触れています。
・漫画のネーム風にしているので、なるべく会話をメインで話を進めています。分かりにくい部分があったらすいません。
・あくまで2次創作なので、優しい目で見てください(笑)
・プロローグなので良いところで終わります。続きを書く予定はありません。(評判が良ければワンチャン)
本篇
【地球 江戸】
ターミナルでの決戦から1年。
復興も徐々に進み、江戸はいつもの日常を取り戻していた。
そんな中、万事屋「銀ちゃん」の屋根に宇宙船が突き刺さっている。何かデジャヴを感じる光景だ。
坂本「いや〜すまんのう珍万福!またやってしもうたぜよ!アハハハハハハ!」
銀時「辰馬、少しは反省してくれ!あと、珍万福ってなんだよ1文字も原型留めてねーじゃねーか!いつになったら人の名前覚えるんだよ!」
誠意が全く見えない坂本に対し、苛立ちを見せる銀時。その後ろで新八と神楽は苦笑いを浮かべている。
銀時「まぁ良いや、うちの社長(新八)の手直しじゃ見栄えも悪かったしな、前みたいにデリバリー大工、早く出せよ。」
坂本「そんな金あるわけないじゃろう!」
銀時「は?」
坂本「ただでさえ仮想通貨でやらかして、ターミナル決戦で借りた金の返済もあるのに、デリバリー大工頼む金なんてある訳ないじゃろう、アハハハハハハ!」
銀時「じゃあどうすりゃいいん…」
坂本「じゃが心配はいらん。とっておきの秘策がある。コレを見てくれ!!」
そう言って坂本は1枚の紙を取り出した。
その紙の見出しには大きく
「全宇宙対抗!天導衆の遺産争奪戦」
と書かれている。
新八「ああ、今話題になってる奴ですね。天導衆の遺産がターミナルの地下で見つかったとかで、各惑星の代表が争うっていう…どのニュース番組もその特集ばかりですよ」
坂本「それじゃ!地球訪問中のとある惑星の王子が遺産を見つけて、どこかの国が独り占めでは不平不満が出るっちゅうことで「惑星対抗の争奪戦」にして、その様子を各惑星で中継すれば、スポンサーが付いて各惑星が潤うちゅう粋なイベントじゃ!」
銀時「それがどうしたんだよ。惑星代表が参加できるのイベントだろ、オメーには関係ねーじゃねーか」
新八「国の代表者は従者(その惑星出身である必要はない)を3人連れていけるみたいですけど、何かアテでもあるんですか?」
坂本「おまんら、この紙をよう見てみい」
坂本が出した争奪戦について書かれた紙の下部には現時点の参加予定国の一覧があり、そこには…
「快援国 王子:坂本辰馬」
と書かれている。
新八「快援国王子?何言ってるんですかこの人」
神楽「銀ちゃん、遂にコイツ頭の中までモジャモジャにやられてしまったアルか?」
銀時「ああ、もうダメだな…」
呆れる万事屋3人の前にとある人物が現れる。
陸奥「そのバカの言ってる事はホントぜよ」
新八「陸奥さん!あなたも来てたんですね!ホントってどういう…?」
陸奥「ワシが海賊時代に手に入れた無人の惑星があってな、その惑星の王子をそこのバカって事にして遺産争奪戦に送り込んでやったぜよ」
坂本「その通り!ワシは快援国王子!坂本辰馬ぜよ!アハハハハハハ!」
新八「そんなのアリなんですか…」
銀時「まぁ頑張って遺産ゲットして、万事屋直してくれ、応援してるぜ」
坂本「何を言っちゅう珍時、おまんらも従者として争奪戦に出場するんぜよ」
そう言って坂本が取り出した応募用紙らしき紙には「従者:坂田銀時・志村新八・神楽」と書かれている。
万事屋3人「は?」
坂本「丁度3人じゃったから。アハハハハハ!」
銀時「「丁度3人じゃったから」じゃねーよ!何で俺たちが出なきゃならねーんだァァァ!!」
坂本「まぁもうエントリーも済んでしまった事じゃ珍◯、それにおまんらを従者に選んだのには、もう一つ大きな理由がある…」
銀時「大きな理由?」
坂本「その大きな理由は…この写真ぜよ」
と言い、坂本は1枚の写真を取り出し、銀時たちに見せる。
銀時「…???」
新八「えっ…コレは?」
神楽「どういうことアルか!?」
(続く)
【央国星 宇宙船内】
地球へ向かう一隻の宇宙船。
ハタ皇子「地球は久しぶりじゃの〜今回の訪問ではどんな生き物に会えるか楽しみじゃ」
じい「皇子、少しお話が…」
ハタ皇子「ん?なんじゃ」
じい「実は、我が国の資金が底を尽きかけております」
ハタ皇子「なんじゃ、いつもの事ではないか」
じい「以前までは私がこっそりバカ…ハタ皇子のペットを売って資金のやりくりをしてたのですが…」
ハタ皇子「勝手に売ってたの!?」
じい「地球での戦の件もあり。もう我が国の財政は限界寸前です」
ハタ皇子「それをなんとかするのがするのがお前の仕事じゃろうが!」
じい「はい。ということで皇子には地球で行われる“天導衆の遺産争奪戦”に参加して頂きます」
ハタ皇子「は?」
じい「エントリーはもう済んでおりますので」
ハタ皇子「何を勝手にやっておる!そうか、だから、やたらと地球行きを勧めておったのか!争奪戦には各惑星の精鋭が出場すると聞いておる!勝てるわけないじゃろうが!」
じい「安心して下さい皇子。そうおっしゃると思い、優秀な従者3人を用意しています」ハタ皇子「優秀な従者?」
じい「今から通信を繋ぎます。彼らが優秀な従者です!」
じいが地球との通信を開始すると、モニターには
「エリザベス、オバZ、オバZが握ったグラサン」が映る。
ハタ皇子「まともな奴1人も居ないではないかァァ!つーか2人しか居らんぞ!まさかあのグラサンが従者とでも言うのか!?」
じい「グラサン?どう見ても長谷川殿ではないですか。それに、あのドラゴニア元王子が協力してくださるのですよ!」
ハタ皇子「余はまだ半信半疑じゃからな!あの化け物がドラゴニア元王子じゃなんて信じられぬ」
じい「なんと無礼な!ドラゴニア様は今回の件、快く力を貸してくれると仰っているのに!」
するとモニター越しにオバZが語りかける。
オバZ「心配は要らんぞ皇子!俺たちが居れば他国の連中なぞ一捻りだ」
オバZはそう言って左手のグラサンを一捻りして握りつぶす。
ハタ皇子「長谷川ァァァァ!!!!!」
じい「何を仰っているのですが皇子?アレはただのグラサンですよ」
ハタ皇子「お前が言ったんじゃろーが!自分の発言には責任を持てェェェ!」
じい「心配いりませんよ皇子。桂殿が居ればどんな状況も怖いもの無しです(多分)」
オバZ「桂じゃない!オバZだ!!」
オバZは怒りで通信機器の画面を叩き割り、通信が途絶えてしまう…
ハタ皇子&じい「・・・」
ハタ皇子「…うう、なんでこんな事に…とにかく!余はそんなモノには出場せんからな!」
じい「いいえ、出場は決定事項です。どんな手段を使ってでも争奪戦には出場して頂きます!」
ハタ皇子「うわァァ!じい貴様何をするか!ああああああァァァァァァァ!」
宇宙船内にハタ皇子の断末魔が響く。
ハタ皇子の運命や如何に…!?
(続く)
【地球 江戸城】
そよ姫「戦いから1年。ターミナルの復興が進んでいますが、資金が足りず、予定よりペースが遅れています。ここは何としてでも天導衆の遺産を取りたいところ…」
松平「ああ、政府全体としても重要案件と捉えている」
そよ姫「私が代表として出場しますので、優秀な従者を集めて下さいとお願いしましたよね。松平公」
松平「ああ、精鋭を揃えた。コイツらだ」
そう言って紹介されたのは…
メカザキ達とメカバディをしながらあんぱんを取り合う山崎と、「頑張ります」と書かれたノートを出したまま立って寝ている斉藤の2人だった。
そよ姫「どこが精鋭なんですか!もっと居るでしょう!真選組なら近藤さんとか、土方さんとか、沖田さんとか!!」
松平「アイツらは、ちょっと野暮用でな…」
そよ姫「国の重要案件より大事な野暮用ってなんですか!」
松平「まぁ、そいつらも頼りになるぜ。斉藤はコミュニケーションがちとアレだが普通に強いし、山崎はメカザキ達と合わせて1人というカウントにして、大量参戦とか…」
そよ姫「できるわけないでしょう!
そんなやり取りをする2人の元へ信女が姿を表す。
信女「落ち着いてそよ姫。そんな頼りない男どもを出場させるのなら、私も出るわ」
そよ姫「信女さん!本当ですか!?あなたが出てくれるのなら心強いです!!」
信女の参戦により、無事に3人の参戦者が決まりホッとする松平は心の中で…
松平「(真選組3人(アイツら)が江戸代表で参加できない理由を知ったら…また、姫さま怒りそうだなぁ…)」
と、今後の不安を感じていた。
【猩猩星母艦 馬那々内】
バブルス「ウホウホ、ウホホ」
ロバート「ウホ、ウホホ?」
バブルス「ウホッホ、ウホウホウホ」
ロバート「ウホォ!?ウホホ」
バブルス「ウホホォ、ウホホホウホウホ。ウホッホホ、ウホウホ」
ロバート「ウホ。ウホウホウホホ」
バブルス「ウホ。ウホホホウホォ」
バブルスの呼びかけに応じ、近藤・土方・沖田の3人が現れる。近藤はバブルスとロバートに向けて親指を立てて力強く一言。
近藤「ウホッ!」
その力強い一言に安心したロバートはバブルスの提案を受け入れたようだ。
しばらくして、母艦内の客室で真選組の3人が話している。
土方「どうして俺たちが地球じゃなくて、猩猩星の代表として、争奪戦に出なきゃならねーんだ!」
沖田「そうですぜ、コレばっかりは土方さんと同意見でさぁ」
近藤「ウホッホ、ウホウホ」
土方「そうかもしれねェが…」
近藤「ウホッウホウホ。ウホッホウホ」
土方・沖田「・・・・」
近藤「ウホウホ、ウホホ」
土方「万事屋が…!?」
沖田「へぇ…面白くなりそうでさぁ…」
やる気がなかった土方と沖田の眼に少し火がともる。
【猩猩星母艦 馬那々内(翻訳版)】
バブルス「ウホウホ、ウホホ(訳:地球で天導衆の遺産争奪戦っていうイベントがあるらしいんだけど…)」
ロバート「ウホ、ウホホ?(訳:あぁ知っている。それがどうした?)」
バブルス「ウホッホ、ウホウホウホ(訳:そのイベントに、この星の代表としてジュニアを出場させようと思うの)」
ロバート「ウホォ!?ウホホ(訳:ジュニアを!?何でまた急に?)」
バブルス「ウホホォ、ウホホホウホウホ。ウホッホホ、ウホウホ(訳:あの子も随分と大きくなったけれど、まだまだ未熟。この間は猩猩星の格闘大会で優勝したけれど、まだまだ世界の広さを知らない。争奪戦で世界の強豪と争えば、いい経験になると思うの)」
ロバート「ウホ。ウホウホウホホ(訳:なるほど。でも3人の従者はどうするんだ?)」
バブルス「ウホ。ウホホホウホォ。(訳:大丈夫よ。地球から強力な助っ人を準備したから。どうぞ入って)」
バブルスの呼びかけに応じ、近藤・土方・沖田の3人が現れる。近藤はバブルスとロバートに向けて親指を立てて力強く一言。
近藤「ウホッ!(訳:ウホッ!)」
その力強い一言に安心したロバートはバブルスの提案を受け入れたようだ。
しばらくして、母艦内の客室で真選組の3人が話している。
土方「どうして俺たちが地球じゃなくて、猩猩星の代表として、争奪戦に出なきゃならねーんだ!」
沖田「そうですぜ、コレばっかりは土方さんと同意見でさぁ」
近藤「ウホッホ、ウホウホ(訳:ターミナルの決戦ではお世話になったからな。彼女達の協力が無ければ、俺は真選組(お前たち)と合流出来なかっただろう)」
土方「そうかもしれねェが…」
近藤「ウホッウホウホ。ウホッホウホ(訳:それにバブルス王女の目的は遺産じゃない。いざって時はそよ姫に助太刀すればいいさ)」
土方・沖田「・・・・」
近藤「ウホウホ、ウホホ(訳:そういえば万事屋の連中も争奪戦に参加するらしいぞ、一体どんな手段を使ったんだか…相変わらず面白い奴らだ)」
土方「万事屋が…!?」
沖田「へぇ…面白くなりそうでさぁ…」
やる気がなかった土方と沖田の眼に少し火がともる。
【とある宇宙船内】
神威「護衛の任務?」
阿伏兎「ああ、なんでも、地球で天導衆の遺産を争奪するイベントがあって、それに出場する国のお偉いさんと一緒に参加して欲しいんだと」
神威「なんで俺たちにそんな依頼が?」
阿伏兎「元は星海坊主への依頼で、奴は従者3人が準備できないってことになったんだが、古くから付き合いのある方だからなんとかしたいって事で俺たちに話が回ってきたらしい」
神威「ふーん、なんだかめんどくさそうだね。あのハゲの依頼なんて受ける必要ないでしょ。断っといてよ。」
阿伏兎「そう思ったんだがよ…一緒に今回の争奪戦を主催した王子様の写真が同封されててな…」
阿伏兎は神威に一枚の写真を見せる。
神威「これって…」
阿伏兎「争奪戦には団長の妹と仲間達も参加するらしいぜ」
神威「へぇ…なんだかよく分からないけれど、面白いものが見れるかもね。資金繰りには困ってた所だし、その仕事受けようか。地球のメシ美味しいし」
阿伏兎「資金繰り困ってるって理解してるんなら、もう少し考えて行動してくれませんかねぇ団長。参加するんならあと1人必要だが、どうするんだ?」
神威「地球で開催されるんだったら、とっておきのアイツが居るじゃないか。1年前に地球まで行ってわざわざ確認したんだから。試してみたいこともあるしね」
不敵に笑う神威を見て、尻拭いが増えなければ良いなぁ…と不安を感じる阿伏兎
二人を乗せた宇宙船は地球へと舵を切る。
【地球 ???】
人里離れた村にあるとある一軒家。
噂では…
母親と子供が2人で暮らしているとか
母親が子供を“様”付で呼んでいるとか
変態そうな男が頻繁に訪れているとか
なんだか良く分からない噂が囁かれている。
その一軒家のテーブルには
「しばらく留守にする。来月には戻る」
と書かれた手紙と、飲み干された1本のヤクルコが置かれている・・・
【地球 江戸】
(最初の続き)
坂本「その大きな理由は…この写真ぜよ」
と言い、坂本は1枚の写真を取り出し、銀時たちに見せる。
銀時「…???」
新八「えっ…コレは?」
神楽「どういうことアルか!?」
…
坂本「コレは、天導衆の遺産の発見者にして、今回の争奪戦の発案者である、シロガネ星の王子の写真じゃ。普段は仮面を付けとるんじゃが、仮面を外している写真が1枚だけあってな…」
銀時「…」
新八「これは…」
神楽「銀ちゃんそっくりアル、コレ銀ちゃんアルか?いつこんな写真撮ったネ?」
銀時「こんな写真撮った覚えなんてねーよ。いつぞやみたいなヅラの変装じゃねーのか?(烙陽決戦篇1話目参照)」
坂本「王子が持っている仮面は、国の紋章が入った唯一の品。この写真は間違いなくシロガネ星の王子ぜよ!」
新八「じゃあ…この人はもしかして…」
神楽「銀ちゃんの兄弟アルか!?」
坂本「銀時、おまんは家族の記憶が無いと言っておったのぉ。ひょっとしたらひょっとするかもしれんぜよ」
銀時「今更そんなこと言われてもなぁ…」
新八「参加してみましょうよ銀さん!」
神楽「そうネ!本当の家族かもしれないヨ!」
坂本「よし!決まりじゃ!快援国代表チーム出発ぜよ」
新八・神楽「おー!」
銀時「・・・」
あまり興味の無さそうな銀時とは対照に、新八と神楽は興味津々の様子。銀時も渋々参加を決めたようだ。
【ターミナル地下】
シロガネ星の王子がターミナルの地下で1人、アルタナの様子を眺めている。
「コレが地球のアルタナ…」
「もうすぐだ…もうすぐ我が惑星の悲願が…」
シロガネ王子は懐から1枚の写真を出す。
それは銀時がかつて指名手配されていた時の写真だ。
「坂田銀時…君は一体」
「何者だ…?」
あとがき
なるべく全キャラ登場のファンディスク的な内容にしたいなと思った結果「天導衆の遺産争奪戦」というテーマになりました。
続きやオチの構想もあることにはありますが、とりあえず書く予定はありません。好評だったら書きますので、Twitterやココで感想頂けると嬉しいです。以下、解説や裏話。
・そよ姫の従者最初は全蔵とさっちゃんの予定でしたが、忍びが表に出るのは変な気がしたのと、真選組へのエピソードに繋げやすかったのであの2人になりました。
・原作では濁した書き方でしたが、高杉が転生している方が絶対に面白いのでココでは転生している事にしています。
・原作で神威が地球に来ていたのは「高杉の転生を確認するため」という妄想設定を作り、従者として一緒のチームにしました。
・シロガネ王子のビジュアルは「髪が長くて、目が死んで無い銀さん」です。
・シロガネ王子が見ている銀さんの写真は「烙陽決戦篇の桂の変装写真です。
企画
このお話を漫画化して頂ける方や、挿絵を描いて頂ける方を募集しています。挿絵はココに名前と一緒に掲載致します。
Twitterもしくはお問い合わせフォームまで連絡下さい。